8b341f67.gifBands Of America(以下BOA)1999 Grand National Championships が11月11〜13日の3日間、アメリカ・インディアナ州インディアナポリスの RCAドームに於いて開催された。アメリカの財団法人であるBOAの歴史は古く、1976年に始まったこの全米最大の高校マーチングバンドの大会も今回で24回目を数える。今回は16州からの代表82団体が出場し、最初の2日間が予選、最終日にセミファイナル(上位32団体)とファイナル(上位12団体)が行われ、第1位の団体がグランド・ナショナル・チャンピオンに選ばれる。またそれとは別に出場団体はクラスAAA、AA、Aの3つのクラスに分けられ(バンドのメンバー数ではなく学校の全校生徒数によって分けられている)、それぞれのチャンピオンも選抜される。200人を軽く越えるバンドから50人以下のバンドまで幅広い団体が出場していた。成績は100点満点(ミュージック・パフォーマンス20点、ビジュアル・パフォーマンス20点、ミュージック・ジェネラル・エフェクト40点、ビジュアル・ジェネラル・エフェクト20点)で、教育的配慮なのか、スコアが発表されるのはファイナルのみで、あとはディビジョンI(75〜100点) II(60〜75点)III(45〜60点)IV(45点以下)と、日本の金銀銅賞のように分けて発表されていた。演奏演技時間は7〜11分までと決められており、現代曲、吹奏楽曲、クラッシックを演奏した団体が多かった。中でも、現代作曲家アーロン・ジェイ・カーニスの「ニュー・エラ・ダンス」を見事なカラーガードとフォーメーションで表現したセンター・グローブ高校(第2位)、同じく現代作曲家であるマイケル・ドーティーの「メトロポリス・シンフォニー」を特大のプロップを駆使し表現したプリマウス・カントン・エデュケーショナル・パーク高校(第1位)などが特に印象に残った。先日発売された増刊号「マーチングパラダイス2000」にも特集されたDCIの、金管とパーカッションとカラーガードのみの編成とは違い、すべての団体が木管を含んだ吹奏楽編成のバンドなので、日本に数多くある吹奏楽のバンドの良い目標になるだろう。また電気楽器等(シンセサイザー、エレキギターやベースなど)を使用していることや、高校の大会だけに保護者等の応援団がすごく盛り上がっていたのも興味深かった。第25回記念大会は2000年11月9〜11日、同会場で開催される。

(初出:バンドジャーナル)